エヴァンジェリスタ・トリチェリ-真空の英雄
ルネサンス期のイタリアで1608年に生まれたトリチェリは、後に数学と物理で大きな貢献をすることになる。 1624年からピサで数学を学び、1632年には著名なガリレオに、彼のコペルニクス的な考え方を支持する手紙を書いた。 
1632年から1641年の間、トリチェリの仕事はほとんど知られていなかったが、ガリレオがトリチェリによる投射物の経路に関する論文を受け取ったことが記録に残されている。 1641年10月、トリチェリはガリレオの招待を受け、彼を訪ねて一緒に仕事をすることになった。 しかし、これは1642年1月にガリレオが亡くなるまでの数ヶ月間だけであった。 その後、トリチェッリはガリレオの後任としてピサ大学教授に就任することになる。
1640年から1643年にかけて、ガスペロ・ベルティはイタリアでサイフォン内の水の上昇度合いの実証実験に携わったことが記されている。 これはガリレオによって18ブラッチャ（約11メートル）と見積もられていた。 問題は、当時、この実験が真空をもたらすということについて、誰もが納得するものではなかったということだ。 水銀を充填した最初のガラス管は、1643年にトリチェッリによって発明されたと一般に認められており、これはトリチェッリの水銀気圧計として知られるようになった。 これは、ガラス管に水銀を充填し、それを反転させ、開放端を水銀の容器に沈めることによって真空を作り出したものである。 これは事実上最初の気圧計（水銀の高さは～760mm、760mmHg）となり、現在でも絶対圧測定に使われている構成である
トリセリ式真空管。 出典はこちら
さらにトリチェリは、直線運動、幾何学、軌道に関する著作や、開口部から流れ出る流体の速度に関する「トリチェリの法則」（ベルヌーイの法則の前身）などを発表した。 また、風が、温度と密度の異なる2つの空気の領域によって引き起こされることも認識した。
トリチェリは1647年にフィレンツェで亡くなり、圧力の単位1mmHgは彼の名誉を讃えて1Torrと名づけられた。