結果と考察
R.KpnI によるMg2+存在下のDNA切断の二つのモード
R.KpnI は他の多くの酵素とは異なりMg2+触媒反応において非常にプロミスキュアである (11, 12). Fig.1 Aでは、R.KpnIによる特徴的な切断パターンをMg2+濃度の範囲で示している。 低濃度の金属イオン(50-500μM)では、同族配列の開裂のみが観察された(レーン2-5)。 しかし、Mg2+ >500μMの濃度では、プロミスキャッピングが見られた(レーン6-9)。 R.KpnIによるMg2+濃度に依存した特異的な切断様式とプロミスキャスな切断様式は、オリゴヌクレオチドの切断の分析によって立証された。 正規の配列を持つオリゴヌクレオチド基質は20μM Mg2+でもR.KpnIによって効率的に切断された。 一方、非カノニカル配列は>500 μM Mg2+でのみ効率的に切断された。 これらの結果は、R.KpnIが2つの異なる金属活性化プロファイルを示すことを示唆している。1つは正規のDNA基質に対してであり、もう1つは非正規のDNA基質に対してである。 この酵素は、正規の基質に対しては双曲線的な、非正規の基質に対してはシグモイド的な金属活性化プロファイルを示す(図1 B)。 これらのデータをHill plot解析したところ(Fig. S2; and see SI Text )、金属イオン結合のHill係数が表1に示されている。 Hill plot解析の結果、酵素への追加の金属イオンの結合と、非正規配列の切断におけるその役割が明らかになった。 したがって、酵素によるプロミスキャス切断を引き起こすには、酵素の活性部位の近くまたは遠くにある追加の金属イオンのリクルートが必要であると思われた。 もしそうであれば、第2サイトの金属イオン配位に関与する残基を変異させると、プロミスキャス活性が消失し、高度に配列特異的な酵素が得られるはずである。 この仮説を検証したところ、